発売からおよそ半世紀、アルピナ 「シーストロング 10 スーパーコンプレッサー ダイビングウォッチ」が、
「シーストロング ダイバー ヘリテージ」としてアルピナコレクションに戻ってきました。単なるレプリカではなく、スイス時計製造の伝統に現代的なアレンジを加えたモデルです。
シーストロングとは
1960年代にスーパーコンプレッサーケースとインナー回転ベゼルで、20気圧防水を備えた画期的なダイバーウォッチ「アルピナ10」を開発したアルピナ。現在では機械式時計やクォーツ時計、アルピナ10をベースにした復刻モデルなど様々なタイプのダイバーウォッチを展開しています。
シーストロング ダイバー ヘリテージ 2016
1960年代にその画期的な機能とデザインで人気を博した「アルピナ10」。そのインスピレーションは今回の「シーストロング ヘリテージ」の随所にみられます。二つのリューズが付いた右のケース側面のデザインとケース内部に配置された回転リング。今ではケースの外側のベゼル位置についている事が当たり前の回転リングですが、当時発売された「アルピナ10」ではケース内部に取り付けられました。2時位置にあるねじ込み式のリューズで回転リングを簡単に動かすことが出来ます。このユニークな特徴はそのままに、ケースは現代的なデザインでクラシックなステンレススチール製ケースは42cm径、刻印が入ったねじ込み式ケースバックにより、水深300m/1000ft.に相当する30気圧防水を備えています。その他、内蔵オートマチックムーブメントは28,800振動で、完全に巻き上げると38時間のパワーリザーブが可能です。ダイヤルはレトロなデザインが特徴の伝統的なライトダークとクリーム色のコントラストを成すモデルとエレガントな雰囲気が特徴のダークカラーモデルの2種類です。
バックストーリー
1969年に発売された「アルピナ10」の開発は1930年代に遡りますが、開発の転機は1956年に訪れました。アルピナウォッチは、スイスのバスコートに本社を構えるErvin Piquerez SA (EPSA)社と提携し、当時、革新的だった20気圧防止を備えた“スーパーコンプレッサー”に、さらなる技術を加えた商品を発表しました。それは、ケースがねじ込まれる際にラバーの密閉リングが押しつぶされ、破損させない為の一体型のゼンマイ機構でした。そして、“コンプレッサー”という名前が示すように、より深く潜水することで水圧が上がり、ケースの2つの部品がさらに密着する特徴も備えていました。また、ケースの側面についた2つのリューズ、1つは針の巻き上げと調整用、もう1つは回転リングを両方向に回して潜水時間を調整するためのものも革新的でした。そうして「アルピナ10」はその機能とその洗練されたデザインで人気を博し、“潜水時間を事前に設定するための装置”を無意識で動かしたり、間違って操作してしまうことはなくなりました。また、時計のデザインも比較的フラットになり、機能的でありながらエレガントにもなりました。 こうした開発を踏まえ、両社は1967年に「アルピナ10」の開発に着手し、1969年に販売を開始しました。
そして2016年、「アルピナ10」は「シーストロング ダイバーヘリテージ」としてアルピナウォッチのダイバーコレクション「シーストロング」に加わり、バーゼルワールド2016で発表されました。そのデザインと革新性は現代でも評価され、コレクションの中でも人気モデルとなっています。