アルピナは、キャリバーとコンプリケーションのマニュファクチュールとして130年以上の歴史を刻んできました。20世紀に製造された優れたキャリバーの中に、「アルピナ・テクノ」のエンジンとして知られるCal.877、この世代で最も堅牢性の高いムーブメントCal. 592(手巻き)、そして「ハンマーオートマチック」として知られるCal.584(17石 手巻き)があります。
2002年以降にアルピナは5つのキャリバー、「トゥールビヨン」、「レギュレーター」、「ワールドタイマー」、「スモールデイトオートマチック」、「フライバック・クロノグラフ」を発表しました。
自社製キャリバー(=マニュファクチュールキャリバー)は、時計技術の極みであり、時計ブランドの技術の高さを示す指標となります。
アルピナウォッチは、キャリバーを一貫して自社で開発・製造する、数少ない独立したスイス時計メーカーの一つです。
創業から132年経た2015年、アルピナは自社で初めて開発から製造まで全てを手がけたクロノグラフキャリバーを発表しました。コンセプトの立案から製造準備まで実に4年の歳月を費やしたキャリバーです。
アルピナのマイスターと技術者は、この新しいAL-760キャリバーに、モジュール構造を採用しました。その理由は、信頼性と堅牢性が高く、数々の試験を重ねて開発されたアルピナAL-710 オートマチックをベースにしたキャリバーを使うことが可能になるからです。同キャリバーは4ヘルツのテンプ振動数とセンターセコンド、6時の位置に日針を備えていました。
この、233個の部品からなる(フライバックのモジュールの場合は96個の部品)、パワーリザーブ38時間のムーブメントは、文字盤の真下へのドライブ(動力)設置に適しています。また、クロノグラフメカニズムの独創的な「ダイレクトフライバック(特許取得)」構造は、わずか96個の部品で構成されていながら、スポーツウォッチとして理想的な、極めて高い堅牢性を備えています。
トゥールビヨンのキャリバーは、時計づくりの技術における究極の形ともいえます。
アルピナが開発し、ジュネーブ工場でのみ製造されるAL-980 トゥールビヨンには、2つの新しいテクノロジーが組み込まれています。シリコン製のガンギ車とアンクルが極限状態でもキャリバーの精度を保つよう機能するテクノロジー。軽量で、シリコンの表面を極めて滑らかに仕上げているため、油を差す必要がありません。そして、アルピナの特許「S.M.A.R.T.重量調整システム」により、ムーブメントの精度を更に高めています。
国際線のパイロットや海外を頻繁に行き来する人にとって、出発地や到着地の時間が一目でわかることは重要です。そのニーズに応えるため、アルピナはAL-718 ワールドタイマーを複雑機構に加えました。このモデルには、AL-710マニュファクチュール・キャリバーが使用されています。文字盤には世界24都市の時間が表示され、加えて6時の位置に昼夜の表示とスモールデイト(日付を表示する小窓)が配置されています。全ての操作は一つの竜頭で簡単にできます。ムーブメントのブリッジには魚鱗模様、オートマチックデバイスには「コート・ド・ジュネーブ」(縞模様)の装飾が施されています。
AL-950 オートマチック・レギュレーターは、2002年にアルピナが復活を遂げて最初に製作したキャリバーです。アルピナの技術者によって開発された自社製キャリバーで、部品の加工も自社のCNC機で行い、アルピナの熟練職人が一つひとつ組み立てています。
AL-950の進化版であるAL-710 は、オートマチック・ムーブメントに加え、文字盤の中央に秒針を配した仕様になっています。全てジュネーブの自社工場で組み立てているAL-710 は、信頼性と精度が非常に高いキャリバーです。
レガッタ競技で重要なのは、スタートのカウントダウン後直ちにスタートを切ることです。アルピナのレガッタ・カウントダウンは、スタートの5分前と10分前からのカウントダウンができるよう設計。メカニカルモジュールはSW500クロノグラフをベースに開発しました。
また、カウントダウン情報が見やすく表示する工夫もされています。文字盤には5つの丸い小窓があり、表示が黒からオレンジに変わり近づく時間を色で知らせます。レガッタのスタート前にカウントが中断された場合でも、AL-880のムーブメントは、カウントダウンを一旦停止して、再スタートできるよう設計されています。
AL-860クロノグラフキャリバーは、パイロットのニーズに応える高い視認性のモデルを実現するために、セリタSW500クロノグラフのムーブメントをベースに「バイ-コンパックス」カウンターを配置しています。
ジュネーブの技術者が綿密な設計を行ったうえで、自社のCNC機を使って加工を行い、熟練職人がプラン・レ・ズゥアート工房で丁寧に組み立てています。
AL-725は有名なヴァルジュー7750クロノグラフムーブメントのバリエーションの一つです。スモールセコンドの秒針を無くし、視認性の高いオートマチック・クロノグラフに仕上げました。縦長のデザイン、ムーブメントに施された美しい装飾も、この製品の完成度を高めています。
洗練された「コート・ド・ジュネーブ」模様の装飾と、ブリッジ部にアルピナの特徴的な彫刻が施されたこの自社製ユニタス・ムーブメントは、6時の位置で時間、分、秒を表示するように設計されています。手巻きタイプのAL-435ムーブメントは、メカニカル時計に「命を吹き込む」喜びを感じさせ、身に着ける人と時計との関係を特別なものにしてくれます。
AL-525は、エクストリーム・ダイバーやエクストリーム40、セブリング12時間レース等の過酷な状況に耐えられるように設計された、オートマティック用「エンジン」です。このムーブメントには洗練された装飾と特別に考案されたローターが備えられています。
AL-535は、AL-525をベースに6時の位置にスモールセコンドの秒針を加えて複雑機構を搭載したムーブメントです。ブリッジには洗練された装飾が施されており、特別に考案されたアルピナのローターを備えた手巻き式となっています。
有名なユニタス・エボーシュをベースにした懐中時計用のキャリバー、AL-650。このエボーシュをアルピナのCNC機で加工したAL-650キャリバーを、レギュレーターシリーズで採用しました。